第3話でマミさんがあのような形で死に、第6話ではさやかがまどかの手で死にかけ、第7話ではそのさやかが痛覚ゼロで戦闘鬼と化して……と、これだけの展開を重ねてきた「魔法少女まどか☆マギカ」。第8話は「魔法少女さやか☆マジョカ」でした。

他人のためにこそ力を使おうと誓ったさやかは、上条の腕を治したいという願いを叶えるため、魔法少女としての務めを始める(#05)。そんなさやかの前に現れたのは、他人を犠牲にすることを厭わない魔法少女・杏子。その杏子との戦いの中で、さやかはもう自分が普通の人間とは違う、ソウルジェムに魂を封じ込められた“魔法少女”という存在なのだということを思い知る(#06)。まどかはそんなさやかを少しでも助けたいと寄り添うが、さやかの心にはすでに負の感情が生まれていて「自分は魔女を狩り続けるだけの魔法少女なのだ」と痛覚を殺して魔女との血みどろの戦いに挑む(#07)。

見ていて気になるのは、なぜかまどかやさやか、ひいてはQBの邪魔をするように立ち回るほむらの存在。#01の時点から不可解であり、かつ何かの意図を隠して動いているというのは伝わってきたが、「ワルプルギスの夜」の情報を統計的に知っていたこと、そしてQBの口から、この時系列の存在ではないことが明らかになった。QBの正体、その目的も知っていて、さらに魔法少女としてむちゃくちゃな動きを見せるさやかに「これ以上まどかを悲しませるなら、私がとどめを刺す」と、自分の行動がまどかのためであることも明らかにした。

このほむらが明らかにしたのが、QBの正体が「インキュベーター」であること。まどかのことを「すごい素質の持ち主」「神様にでもなれる」「ボクにはさやかの体を戻す力はない」「でも、まどかなら何だってできる」と褒めはやし、ついに「さやかのために」と魔法少女契約を結ばせる寸前まで持って行く、驚異の営業マン。この企みはほむらの乱入で防がれたが、やはり殺しても死なないというか、いくらでも体はあるようで、あっさり2体目のQBが登場。「インキュベーター」の名前の通り、そして、最初から黒い淫獣だと目されていたとおり、その目的は魔女を“孵化”させることにあったようだ。

さやかは狂気的な戦いを続けた結果、ソウルジェムの汚れが限界以上になり、もう救えない状態に。杏子が見つけたときには時すでに遅く、さやかのソウルジェムは弾けてしまった。浄化できなくなったソウルジェムは、魔女化をもたらす。QB=インキュベーターの狙い通り、さやかは魔法少女から魔女へと孵化したわけだ。

今回、魔法少女契約を結ぶ寸前でほむらに救われた形のまどかだが、なぜほむらが自分を助けてくれたのかという点には結局思いが至らず、行方不明のさやか探しに去ってしまったが、ほむらの行動は先に挙げたとおり「まどかを悲しませるすべてをどうにかしたい」というためのもの。ほむらの中では、まどかはいつも「自分のせいで」と思い込んでしまい、すべてを背負ってしまうのだという。これは#01冒頭の、まどかと破滅してしまった世界を連想させるし、ずっと言われてきたループも連想させる。

ほむらと仲良くしたいと言い続け、マミさんのことをみんなが忘れていく中で「私は忘れない、ほむらちゃんのことも」と言ったまどかだが、その実、何ループも何ループも、ほむらはまどかを助けようと動き続けてきたのではないか。そして、きっと一度も救えていないのだ。

次回は杏子がさやかを助けるために動くような感じ。もう誰のためにも魔法を使うことはないと決めているはずの杏子が、なぜかさやかには自分の過去を語ったりしたように、境遇が重なる部分があるのかもしれない。ただの魔女退治であればさくっとカタがつくところだが、そう簡単に行くとは思えない……。

良くも悪くも今季最大の問題作は残り1/3。本当に1分1秒たりとも目が離せなくなってきた。

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