というわけで、なにやら週刊連載なるものが始まったようである。作者の無計画な行動であるのは言うまでもないが、始まってしまったのは仕方がない。私も職務を全うする所存である。
 とは言っても、この小説は私の日常を描いたものではない。私が所属している部活についての小説である。それゆえに部員紹介なるものをしたいのは山々なのであるが、生憎人数が多い。一度に紹介しきるのは不可能というものだ。
 まあ、私にとって不可能なんてものは存在しないのは言うまでもないのだが、一度に何人も紹介すると君たちが理解しきれないであろう。そのための分割だ。私の能力が足りないわけではない。

 最初に紹介するのは我が部活の頂点に君臨しているお方、【円道レイコ】である。彼女は、我々と同級生にもかかわらず、永劫の時を生きる仙人宜しくの神秘的な雰囲気を醸し出しているため、我々部員一同は親しみと恐れとその他諸々の感情をこめてレイさんと呼んでいる。無論、呼び捨てなどという礼儀をわきまえない行為はできない。

さて、これから始まるのが、いわゆる本題というやつである。堅苦しい序章的物語はここまでである。



「ヒマだ」
絶望しきった表情でレイさんが口を開いた。しかし、こんなことを言っても状況は変化しないのが人生というものである。
「オセロしませんか」
副部長、橋本ヒューマが突然言った。彼もまた絶望しきった表情を浮かべていた。
「どうした、急に?」
「ヒマな時はオセロ、オセロの時はヒマ。これは鉄則でしょ」
なんだその独自理論。しかしながら、ここでオセロを挑んでくるとはまさしく「飛んで火に入るカス」である。ここは私が全身全霊を持って…
「いいな、やろう」
思いのほかレイさんのテンションが高かった。いや、悲しくなんかない。優しい言葉をかけないでくれ。あえて優しい言葉をかけない。それが…優しさ!
 泣きそうになっている私を尻目に勝負は始まった。
そして勝負は終了した。
白:ヒューマ4個 黒:レイさん68個

まあ当然の結果だな。
「どどどどどどどどおっどおっどどど」
ヒューマはご乱心のようだ。
「おいやめろ、そのエンジン音」
涼しげな形相のレイさんが言った。相手に角を取らせて他はすべて黒に染める。
さすがレイさん、外道である!
「なあヒューマ。お前、弱いな」
「しゅうううううううううう」
どうやらエンストしたようだ。
「私はもっと強い奴と戦いたい」
レイさんが少年誌の主人公宜しくの名言を明言した。私としてはこれ以上被害者は出したくないが…。
「オセロ部へ行ったらどうですか?」
これまで空気だった西城イズミが言った。これぞまさしく具体的な模範解答である。
「そうだな。どうせイズミちゃんはザコいしな」
「はっ。勝手に決められた!」


オセロ部
「おやおや、これはこれは、おやおや、なんとも弱そうな奴らが来ましたねえ」
「何だこの小物臭」
恐らく私たちの中で最も小物なイズミちゃんが言った。
「いいから一番強いの出せ」
レイさんは不機嫌である。
「オレの名前は白黒表裏…」
おい、何も言ってないのに語りだしたぞ。
「オセロ部の                                                                                                           部長だ」
何故ためた!!!
「いいからやろうぜ」
レイさんは不機嫌である。
「それもそうだな。さあ、始めよう」
そして勝負は終了した。
白:白黒表裏0個 黒:レイさん11個
途中で相手をすべて消し去るという高等テクニックを繰り出した。さすがレイさん。外道である!
「負けたよ。君、強いね」
「なんか爽やかになっとる」
「負けてしまったのならば仕方がない。何でも持って行け。部費はたんまり(298円)ある」
括弧の中に現実が見えた。
「いらね」
レイさんが現実を具現化した。
「そのかわり、私たちの支配下に着け」
おっと。これは急展開である。
「いいだろう」
「了承するのかよおおおおおおおおおおお」
五月蠅い。黙れ。イズミちゃん。


こうして、オセロ部が私たちの傘下に下った。
そうして、私たちの全部勝つ制覇という長い長い旅が始まった。しかし!
「まだまだ始まったばかり!」
「俺たちの戦いは!!」
「これからだああああああああああああ!!!」
つづく



あとがき
無謀な企画を始めてみました。
色々といたらないですが、よろしくお願いします。
これから毎週月曜に更新していきたいと思います。
さあ、始めよう。

以上矢野ヒカルでした。

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