大阪府と大阪市が、天王寺から新大阪までを結ぶLRT(次世代型路面電車システム)の整備を行うそうです。まずは天王寺~難波間について2015年度に着工、2018年度の開通を目指していて、実現すれば1969年3月31日に全廃となった大阪市電が1957年4月1日に城南線の延伸を行って以来、約60年ぶりに大阪で路面電車の新路線が作られることになります。

大阪府/なんば・天王寺・あべのエリア

天王寺~難波 次世代型路面電車15年度着工へ : ニュース : 関西発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

天王寺~難波 次世代型路面電車(LRT)15年度着工へ: 大阪情報サロン

戦前~1950年代ごろにかけては全国で「路面電車」ブームと言ってもいいぐらいに路面電車が走り回っていましたが、1960年代にモータリゼーション(自家用車の普及)によって各地で廃止されていきました。大阪市はいち早く市電を展開して「東洋一」と呼ばれた路線網を広げましたが、廃止の決定も全国で最も早く、大阪万博の開催に合わせて地下鉄建設を進めるのと平行して市電路線の廃止を進め、1969年3月31日に全廃となりました。

今回の計画は、大阪・あべのからミナミ、御堂筋を通ってキタを経由し、新大阪までをつなぐというもの。その中で、まずは天王寺と難波の間の約3kmについて先行整備を行うことになります。

こんな感じのルートになるかな?ということで想定ルートを引いてみたものがこちら。
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起点となる天王寺側は「あべのハルカス」の前になることが発表されているので、おそらく阪堺電車上町線の天王寺駅前停留所と共用することになるか、天王寺駅前停留所を南北に拡張して上町線と新路線を並べる形になることを想定しているものと思われる。
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ここから路線は天王寺公園(天王寺動物園)内に入り、車窓から動物を見られるようになる。ここはまったく想像がつかないため、現在ある歩道に沿ったルートを引いた。この道は天王寺動物園と天王寺美術館を分ける道で、拡幅するのであればLRTの導入は容易。
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公園を出たLRTは、公園北口交差点から国道25号線に入って西向きに進路を変える。便宜上、ラインは南側に寄せたが、路面電車の軌道が道路の片側に寄っているとなにかと邪魔になる(京都市電伏見線廃止の一因でもある)ので、中央寄りに敷設することになるかも。おそらく、恵美須東交差点の前後に「新世界」ないし「通天閣」停留所が設けられる。恵美須交差点では南西角に阪堺線の恵美須町駅があるので、停留所を設けて乗り換えできるようにするか、レールをつなげるか。
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LRTは恵美須交差点から堺筋を北上、日本橋三丁目交差点で左折、難波中二丁目交差点で右折して南海電車の東側を走り、なんば(南海難波駅前)に至る。これは廃止された大阪市電堺筋線と同じルート。堺筋は北向き一方通行の道路なのでLRTを敷設するとなれば片側に寄せての敷設になるかも。日本橋三丁目交差点から難波中二丁目までは現状二車線道路で人通りも多く混雑が激しいところなので、市電のころと同じようにLRTを敷設できるかどうか。
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計画によると、2014年度に運行事業者を公募で決定、2015年度に着工して、2018年度に開通させるという。影響が一番大きいのは天王寺や恵美須町で接続することになる阪堺(南海の100%子会社)なので、南海が新しい会社を作るか、南海と大阪府・大阪市との3セクというところに落ち着きそう。

かつてモータリゼーションで一掃された路面電車だけれど、これからの時代、自動車を所有するコストを考えると、よほどの施策が行われない限り、自動車の数は大きく増加に転じることはないはず。むしろ、高齢者の都心回帰があるので、市の中心部にはLRTのような足として使える交通機関を充実させるべきなので、この計画には注目しています。もちろん、いち鉄オタとしても、ですが。

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