「君、太宰つてのは、おそろしくいやな奴だぞ。さうだ。まさしく、いや、な奴だ。嫌惡の情だ」

今回紹介するのは、「ダス・ゲマイネ」(太宰治著)です。

20130824-151940.jpg 青空文庫

20130824-152001.jpg 筑摩書房

20130824-152020.jpg 新潮社文庫

◯作者について
太宰治
前回の「トカトントン」の記事参照

◯作品について
1935年、雑誌「文藝春秋」に掲載

1988年、新潮社文庫より表題『走れメロス』として出版。
収録作:走れメロス/富嶽百景/ダス・ゲマイネ/女生徒 その他

1998年、筑摩書房より、表題『太宰治全集2』として出版。
収録作:晩年/ダス・ゲマイネ/虚構の彷徨

青空文庫にも収録。

題名の「ダス・ゲマイネ」とは、ドイツ語で「通俗性、卑俗性」を表す。

◯あらすじ
好きな人によく似た女性を眺めて暮らす「佐野次郎」は、ある日東京音楽大学に通っているという「馬場」に出会う。彼は、『海賊』という同人誌を作ろうと佐野に持ちかけ、絵描きの「佐竹」と新人作家(笑)の「太宰治」を連れてくるが……。

◯感想
人間の卑屈さがよくわかる、太宰治らしい薄暗い作品。
『人間失格』のような真っ暗ではないが、やはりどこか虚無的な、死という観念が作品全体を支配している。
けれども、そこに「太宰治」というキャラクターが出てくることで、死の観念は少し和らぐ。
作品の中の太宰治と、現実の太宰治の共通点と違い、それを見つけることも楽しい。
太宰治は何を考え作品を書いているのか、そんなものが少し見ることのできる作品だとおもう。

ダザイストになるため日々邁進中。太宰治の作品は深いので、読み込めば読み込むほど頭に新たな観念が生まれます。

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