1月27日、「サザエさん」の磯野波平役で知られる声優の永井一郎さんが、宿泊先の広島市のホテルで急死しました。

永井一郎さんが死去、サザエさん「波平」の声 82歳 – MSN産経ニュース

「高齢化」が叫ばれて久しい日本で、そういった世間の流れからは切り離されて一家7人と1匹が食卓を囲むというファンタジー世界に生きる磯野家&フグ田家(以後は「磯野家」に統一する)だが、「中の人」はそうはいかなかった。永井さんは82歳、今でもバリバリ現役で仕事をこなしていたけれど、いつこういうニュースが飛び込んできてもおかしくない年齢ではあった。

磯野家の高齢化現象は以前から指摘されていたことでもある。2005年にワカメ役が野村道子から津村まことに変わったときに「声が違う」と話題になったが、磯野家7人の中でキャスト変更があったのはマスオ、カツオ、ワカメの3人。裏返せば、1969年の放送開始以来、サザエ役の加藤みどり、波平役の永井一郎、舟役の麻生美代子、タラオ役の貴家堂子は変更がないということでもある。

余談だが、カツオ役は冨永み~なで3代目であり、2代目は高橋和枝(1998年交替・1999年死去)で、初代は前のドラえもんで有名な大山のぶ代だったりする。

永井さんと同様、放送開始から演じてきたキャストの年齢を見てみると、加藤みどりが74歳、麻生美代子は永井一郎より上で87歳(4月には88歳)、貴家堂子が72歳。野村道子がワカメ役を降りたのが60代だったことを考えると、さすがに引っ張りすぎの感がある。

「サザエさん」と同様、長期間放送されているアニメで大幅なキャスト変更を行ったものとして参考になる事例が2つある。

1つは「ドラえもん」である。「初代ドラえもんは富田耕生で、今のドラえもんとは路線が違った」というのはあんまりマイナーってこともないネタだが、ここで挙げるのはテレビ朝日系列で放送されているドラえもんの、2005年のリニューアルの事例である。1979年の放送開始以来キャストは固定されていたが、アニメ映画開始から25周年を迎えた2005年に作品のリニューアルが決まり、全員入れ替えとなった。
ドラえもん:大山のぶ代→水田わさび
のび太:小原乃梨子→大原めぐみ
しずか:野村道子→かかずゆみ
スネ夫:肝付兼太→関智一
ジャイアン:たてかべ和也→木村昴

もう1つは「ルパン三世」。こちらはテレビシリーズ第1作が1971年に放送スタート、合計3本のシリーズが放送された後、1989年から現在の年1本のテレビスペシャルが始まった。こちらの作品の場合はどちらかといえばサザエさんに近く、テレビアニメ第1シリーズと第2シリーズ以降で五ェ門役・不二子役が変わっているほか、1987年に制作された映画「風魔一族の陰謀」はいろいろな事情があり全キャスト入れ替えが行われている。アニメーションとしての質は高かったが、キャスト変更が不評で1989年に始まったテレビスペシャルでは元のキャストに戻されている。ルパン役の山田康雄が1995年に亡くなったため2代目・栗田貫一に変わった後、2011年のテレビスペシャルでキャストを一新、現行体制に移行している。
ルパン:山田康雄→栗田貫一
次元:小林清志
五ェ門:大塚周夫→井上真樹夫→浪川大輔
不二子:二階堂有希子→増山江威子→沢城みゆき
銭形:納谷悟朗→山寺宏一

いずれのケースも、新キャストは受け入れられている。もちろん、従来のキャスト陣が良かったという声があるというのは事実で、特に、山田康雄から栗田貫一に代わったばかりのルパンはひいき目に見ても上手い物真似レベルでしかなかったが、旧キャスト版の最後の方の作品はそれぞれキャストが高齢化していたこともあり、若い声が出せていなかったのもまた認めなければならないところ。正直、増山版不二子ちゃん終盤の「ルぅっパぁ~~ン」はどう聞いてもおばあちゃんのそれであった。交代時の増山江威子は74歳なのだから、しょうがないじゃないか。

そして戻って、サザエさんである。つまるところ、現行キャスト版のサザエさんは役目を終えたのではないかということだ。本当におじいちゃんになって、永井さんは亡くなった。麻生美代子どころか、加藤みどりだっておばあさんである。作品を続けるのであれば、ここがキャストの換えどころなのではないか。

ということで、締めは「ぼくのかんがえた新生磯野家」である。

まずサザエさん。話題の起点であり、かつおっちょこちょいの24歳主婦。年齢だけでいえば花澤香菜(24)・伊瀬茉莉也(25)・茅野愛衣(26)なんかが演じていてもおかしくないのか……。ただ、声質にはおばさんっぽいところがやはり必要。……そこで見つけたのだが、本多真梨子(27)とかどうだろうか。「日常」ゆっこ、「生徒会の一存」くりむ、「ロボットガールズZ」Zちゃん、それっぽくない?若返りすぎ?本田貴子(41)のサザエさんだと、カツオは絶対にキュウと言わされてる。國府田マリ子(44)なんてプリキュアママンやってるからアリかなあ。

続きまして波平。原作だと50代ぐらいか……速水奨(55)とか郷田ほづみ(56)とか堀内賢雄(56)とか中田譲治(59)とか大塚芳忠(59)とか、あんまりじじいっぽくはないよね。千葉繁(59)はキョウリュウジャーでおじいちゃんだけど……。ちょっと年齢が上がるが、森功至(68)とかどうだろう。「RD 潜脳調査室」の波留さんがハマってたもので。迫力あるお年寄りの声ってことだとARISE以前の攻殻機動隊で荒巻を演じていた阪脩かなと思ったが、永井さんより年上の83歳だった。ARISEの荒巻は塾一久(63)。60代ぐらいの声優がぴったりか?菅生隆之(61)が波平だったら……トミー・リー・ジョーンズになっちまうか。「バカモン」が似合う人ってなると、やっぱり前述の阪さんなんだけど。

舟さんは現代にはいないタイプの“オフクロサン”だから、置き換えが難しい。役と同年代の50代だと若々しすぎると思うの。伊藤美紀(51)や日髙のり子(51)演じる舟さんとか、色気ありすぎませんか。それこそ、加藤みどり(74)にスライド登板してもらうとか、野村道子(75)が帰ってくるとか、そういうレベルではなかろうか。舟さんの枯れっぷりは異常。

マスオ・カツオ・ワカメは若返ってるからいいとして、難しいのは波平やサザエさん以上にイメージが固まってるタラちゃんだ……。これ以上引っ張っても何も出てこないので、「みなさんの考える新生磯野家ってどんな感じ?」とネタを振っておいて、フェードアウト……。

追加:
2月9日放送分までの収録は終わっているらしい……って2週間分ですね。カツオ交代時には、高橋さんが倒れて収録ができなくなり、その回の収録に来ていたウキエ役の冨永み~なが代役を務め、そのまま3代目をやることになったというエピソードがあるので、アナゴさん役の若本規夫や伊佐坂先生役の中村浩太郎、先生役の沢木郁也が入るという可能性が高いのかな?

ちなみに、永井一郎が波平を担当した当時の年齢は37なので、若い人になってもおかしくはない。タイ子さんも年末に交代したところだったんだな。

さらに追加:
二代目波平が決定!! | INS-MAGAZINE.NET

茶風林(52)!スポーツ新聞ではなぜか「ちびまる子ちゃん」の永沢くんとひでじいが先に来ているけれど、明らかに「名探偵コナン」目暮警部からの「ばかもん!」繋がりですよこれは。そうかー、茶風林かー。こうなると舟さんが伊藤美紀だとか井上喜久子だとかになってもおかしくないし、サザエさんも20代・30代の声優になってもおかしくないよね。番組開始時からのキャストであっても順次入れ替えていけるのであれば、もう「終わり」のタイミングなんてないってことだ。