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現在、ほとんどの鉄道会社が導入している「女性専用車両」は、痴漢や盗撮など女性を狙った犯罪から女性の身を守るために導入されたものです。
その起源は約100年前の1912年に導入された「婦人専用車両」までさかのぼります。当時は婦人が男性と近接する状況を避けるべきだという考えから導入されましたが、現在、通勤ラッシュの際の満員電車などでは男女関係なく車内には人がいっぱいです。私は電車通学なので満員電車の辛さを知っているのですが、これからの季節はたまったもんじゃないですよ。圧迫感はもちろん、電車の中の蒸し暑さは半端じゃありません。男の私ですら嫌なのに、女性の方にしたら不快な時間以外の何物でもないでしょう…。ですから、私は「女性専用車両」の導入に関して何ら疑問は抱きませんでしたし、むしろ推進していくべきだと考えています。

しかし、近年この女性専用車両の導入に関して、世間の中には「これは男性への差別にはならないのか」「なぜ【男性専用車両】は導入されないのか」といった疑問がを持つ人がたくさんいらっしゃいます。皆さんはどんな意見をお持ちでしょうか?

ここでは、男性ジェンダー論研究者の瀬地山 角・東京大学教授のご意見を紹介したいと思います。

セクハラを含めて、性犯罪の定義権は、一義的には被害者にあります。つまり何をセクハラと考えるか、何を痴漢と感じるかは、被害者に最大の決定権があるのです。同じ行為を受けたとしても、好きな人なら「犯罪」とならないわけで、犯罪行為を外形的に定義するのが難しいからです。しかしそのことが、同様の行為を誰もが試してみてよい、ということを意味しないのは当然です。

私のジェンダー論の講義を受ける女子学生から、女子高時代に痴漢があまりに頻発するので、近くの女子高とも連携して、鉄道会社に女性専用車両の設置を求めたものの、そのこと自体が新聞などで話題になって、その高校や制服が好奇の目にさらされるようになり、結局、対策が実現しなかった、という話も聞きました。

「婦人専用車両」が導入された100年前とは異なり、今、女性と男性は、電車、職場、学校を共有しています。だからこそ、少なくとも優先席と同程度には、女性専用車両の必要性が認められるべきだと思うのです。下の表に見るように、実は量的にも、1編成の電車の総座席数に占める優先席の比率は、女性専用車両の座席数の比率とほぼ同じ。お年寄りに席を譲るのと同じ気持ちで、女性専用車両を認めるべきではないでしょうか。

やはり大学教授の方の意見は的確ですね。被害を受けた人はもちろん、性犯罪に巻き込まれやすい女性全員の気持ちを考えれば、女性専用車両が男性への「差別」にはつながらないことは誰にでもわかることでしょう。

また、瀬地山教授が作成したデータ(出典:国交省資料)を見てみると…

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上に書かれていたように、電車の総座席数に対する女性専用車両の座席数は優先座席の数とほとんど変わらないことが分かります。このデータを見て、私は、優先座席が認められている社会なのだから女性専用車両も認められるべきだという教授の意見と全く同じ思いを抱きました。性犯罪被害を警察に届け出るということは女性にとってとても勇気のいる難しい行動だと思うからです。

「女性専用車両」という比較的安心できる環境を作ることで、鉄道を利用するすべての女性が少しでも快適に車内で過ごすことができたらいいなあと感じた波助でした。

参考記事【文章(一部)・画像・データ引用】:  「女性専用車両」は、男性差別か? 優先席と同様、専用車両は必要だ ―東洋経済オンライン

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