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【赤い月、廃駅の上に】日本文学奇書に挑戦!【第十一回】

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by Kevin Dooley

 

テツにとっては、至高の一作。ホラー好きにとっては、ちょっと物足りない。有栖川ファンにとっては、また新しいジャンルの開拓。

大阪人、特にキタ出身の人にとっては、知らなかったことの発見。鉄道と幻想とホラーの融合、ジャンル不明の新しい一作。

 

「赤い月、廃駅の上に」(有栖川有栖著)が私は大好きなのです。

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○作者について

有栖川有栖(ありすがわありす)1959年~

大阪府大阪市出身。

1989年、「月光ゲーム」でデビュー。

その後、「有栖川有栖&火村英生シリーズ」、「安楽椅子探偵シリーズ」、「国名シリーズ」などの作品を出版している。

現在は、「創作塾」という作家、脚本家養成の塾を運営したり、

大阪府立千里青雲高校の校歌を作詞したりしている。

 

○作品について

2009年、メディアファクトリー、幽ブックスより出版。

2012年、角川文庫より文庫化。

短編集。

収録作品:夢の国行き列車 / 密林の奥へ / テツの百物語 / 貴婦人にハンカチを / 黒い車掌 / 海原にて / シグナルの宵 / 最果ての鉄橋 / 赤い月、廃駅の上に / 途中下車

 

○あらすじ

鉄道に関する不思議な話、ホラーじみた話、不条理な話、幻想的な話等々。

鉄道好きの作者がお送りする、ミステリからかけ離れた一作!

 

○感想

「夢の国行き列車」で、万博公園が出てきたとき、親近感を覚えてそこから一気に読んでしまった。

鉄道に関するテーマで、これだけの作風の違う作品たちをかけるというのは、字を書くものとしては尊敬する。

いつの間にか、自分が電車に乗っていて、そこから景色を見ているような、そんな感覚に襲われて、

私はこの作品のとりこになった。

一番すきなのは、「最果ての鉄橋」。黄泉の国は、こういう風になっているのだな・・・・・・、と

場面を想像するとなかなか楽しい(死んでるんだけれど)。

電車に、特に最終列車に乗って読むと、もしかしたら不思議な世界にいけるかもしれない。

 

有栖川有栖さんは、同じ大阪人というのも会って親近感が沸くのですよ。

作品に大阪弁が出てくると、ちょっと興奮しますね。

 

次は、まってました綾辻行人さん、紹介します。

 

参照元:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E6%A0%96%E5%B7%9D%E6%9C%89%E6%A0%96

 

作成者: 狼蘭

2015/3/4:卒業
小説を書いてる活字中毒な人。
今一番好きな言葉―「皆、思い込みを信じて自分勝手に生きているだけなんです。なら思い直せば別の世界にいける。過去なんてものは、もうないんです。未来が無いのと同じように」(関口巽)
京極夏彦「陰摩羅鬼の瑕」より
余談:アニメ版関口先生が無駄にイケメンで辛い