by Kevin Dooley
テツにとっては、至高の一作。ホラー好きにとっては、ちょっと物足りない。有栖川ファンにとっては、また新しいジャンルの開拓。
大阪人、特にキタ出身の人にとっては、知らなかったことの発見。鉄道と幻想とホラーの融合、ジャンル不明の新しい一作。
「赤い月、廃駅の上に」(有栖川有栖著)が私は大好きなのです。
○作者について
有栖川有栖(ありすがわありす)1959年~
大阪府大阪市出身。
1989年、「月光ゲーム」でデビュー。
その後、「有栖川有栖&火村英生シリーズ」、「安楽椅子探偵シリーズ」、「国名シリーズ」などの作品を出版している。
現在は、「創作塾」という作家、脚本家養成の塾を運営したり、
大阪府立千里青雲高校の校歌を作詞したりしている。
○作品について
2009年、メディアファクトリー、幽ブックスより出版。
2012年、角川文庫より文庫化。
短編集。
収録作品:夢の国行き列車 / 密林の奥へ / テツの百物語 / 貴婦人にハンカチを / 黒い車掌 / 海原にて / シグナルの宵 / 最果ての鉄橋 / 赤い月、廃駅の上に / 途中下車
○あらすじ
鉄道に関する不思議な話、ホラーじみた話、不条理な話、幻想的な話等々。
鉄道好きの作者がお送りする、ミステリからかけ離れた一作!
○感想
「夢の国行き列車」で、万博公園が出てきたとき、親近感を覚えてそこから一気に読んでしまった。
鉄道に関するテーマで、これだけの作風の違う作品たちをかけるというのは、字を書くものとしては尊敬する。
いつの間にか、自分が電車に乗っていて、そこから景色を見ているような、そんな感覚に襲われて、
私はこの作品のとりこになった。
一番すきなのは、「最果ての鉄橋」。黄泉の国は、こういう風になっているのだな・・・・・・、と
場面を想像するとなかなか楽しい(死んでるんだけれど)。
電車に、特に最終列車に乗って読むと、もしかしたら不思議な世界にいけるかもしれない。
有栖川有栖さんは、同じ大阪人というのも会って親近感が沸くのですよ。
作品に大阪弁が出てくると、ちょっと興奮しますね。
次は、まってました綾辻行人さん、紹介します。
参照元:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E6%A0%96%E5%B7%9D%E6%9C%89%E6%A0%96