どうも、狼蘭です。
今回は、ミステリの掟その2をご紹介しようと思います。
前回は、ノックスの十戒についてご紹介しました。
ミステリの掟を定めたのは、もうひと方いらっしゃいます。
それが、Mr.S.S.ヴァン・ダインです。
1888年生まれのアメリカ人。推理小説作家です。
代表作は「僧正殺人事件」。マザーグースの中の「誰がコマドリ殺したの?」をモチーフにした作品で、
名探偵ファイロ・ヴァンスを生み出しました。
そんな彼が1928年に定めたのが、「ヴァン・ダインの二十則」。
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事件の謎を解く手がかりは、全て明白に記述されていなくてはならない。
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作中の人物が仕掛けるトリック以外に、作者が読者をペテンにかけるような記述をしてはいけない。
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不必要なラブロマンスを付け加えて知的な物語の展開を混乱させてはいけない。ミステリーの課題は、あくまで犯人を正義の庭に引き出す事であり、恋に悩む男女を結婚の祭壇に導くことではない。
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探偵自身、あるいは捜査員の一人が突然犯人に急変してはいけない。これは恥知らずのペテンである。
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論理的な推理によって犯人を決定しなければならない。偶然や暗合、動機のない自供によって事件を解決してはいけない。
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探偵小説には、必ず探偵役が登場して、その人物の捜査と一貫した推理によって事件を解決しなければならない。
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長編小説には死体が絶対に必要である。殺人より軽い犯罪では読者の興味を持続できない。
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占いとか心霊術、読心術などで犯罪の真相を告げてはならない。
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探偵役は一人が望ましい。ひとつの事件に複数の探偵が協力し合って解決するのは推理の脈絡を分断するばかりでなく、読者に対して公平を欠く。それはまるで読者をリレーチームと競争させるようなものである。
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犯人は物語の中で重要な役を演ずる人物でなくてはならない。最後の章でひょっこり登場した人物に罪を着せるのは、その作者の無能を告白するようなものである。
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端役の使用人等を犯人にするのは安易な解決策である。その程度の人物が犯す犯罪ならわざわざ本に書くほどの事はない。
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いくつ殺人事件があっても、真の犯人は一人でなければならない。但し端役の共犯者がいてもよい。
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冒険小説やスパイ小説なら構わないが、探偵小説では秘密結社やマフィアなどの組織に属する人物を犯人にしてはいけない。彼らは非合法な組織の保護を受けられるのでアンフェアである。
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殺人の方法と、それを探偵する手段は合理的で、しかも科学的であること。空想科学的であってはいけない。例えば毒殺の場合なら、未知の毒物を使ってはいけない。
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事件の真相を説く手がかりは、最後の章で探偵が犯人を指摘する前に、作者がスポーツマンシップと誠実さをもって、全て読者に提示しておかなければならない。
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よけいな情景描写や、わき道にそれた文学的な饒舌は省くべきである。
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プロの犯罪者を犯人にするのは避けること。それらは警察が日ごろ取り扱う仕事である。真に魅力ある犯罪はアマチュアによって行われる。
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事件の結末を事故死とか自殺で片付けてはいけない。こんな竜頭蛇尾は読者をペテンにかけるものだ。
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犯罪の動機は個人的なものがよい。国際的な陰謀とか政治的な動機はスパイ小説に属する。
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自尊心(プライド)のある作家なら、次のような手法は避けるべきである。これらは既に使い古された陳腐なものである。
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犯行現場に残されたタバコの吸殻と、容疑者が吸っているタバコを比べて犯人を決める方法
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インチキな降霊術で犯人を脅して自供させる
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指紋の偽造トリック
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替え玉によるアリバイ工作
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番犬が吠えなかったので犯人はその犬に馴染みのあるものだったとわかる
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双子の替え玉トリック
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皮下注射や即死する毒薬の使用
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警官が踏み込んだ後での密室殺人
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言葉の連想テストで犯人を指摘すること
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土壇場で探偵があっさり暗号を解読して、事件の謎を解く方法
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ノックスの十戒とかぶるところは多少ありますが、なかなか、守るのには骨が折れそうな二十の項目がずらりと並んでいます。
第二項、作者がペテンにかけることをしてはいけない、とありますが、これは叙述トリックには当てはまりません。
叙述トリックとは、地の文の巧みな書き方によって、読者をだまくらかす、というもの。
国籍、性別、年齢、犯行のおこった時間などなど……。
たとえば、「山本はるか」という人が出てきて、地の文では女の人のように書かれているが、実は男でした、なんてものです。
この代表作には、アガサ・クリスティ作、名探偵ポアロシリーズ「アクロイド殺し」があります
また、第七項、長編には殺人がふさわしい、とありますが、これは最近では当てはまらなくなっています。
とくに、はやみねかおる氏のシリーズ「名探偵夢水清四郎」は、「誰も死なないミステリ」として有名ですね。
そして第十八項、自殺や事故死はいけない、とありますが、自殺では保険金が出ないので、自殺した人をあえて他殺体にみせる、
というトリックもでてきてます。
時代が変わるにつれ、この法則を逆手に取った作品や、まるっきり正反対の性質のストーリーをかく、というものが出てきています。
またヴァン・ダイン自身も、このトリックを破った作品を書いたりもしています。
いまから、ミステリを書こうかな、と思う人、
ミステリをよく読む人、読みたいと思っている人、全然ミステリって何?って人。
それぞれの人、知っておいても損はないと思いますよ。

“これだけは知っておきたいミステリの掟(2)” への1件のフィードバック
これ一年くらい前に知ったなあ。ノックスのほうは知らなかったけど。結局何が言いたいかというと、T.Kには推理小説なんてものは書けませんということだ!