もともとは「20代女子に聞く・息子ができたら読ませたい少年漫画ランキング」らしいのだけど、なんだこのラインナップは……………?
痛いニュース(ノ∀`) : 自分の息子に読ませたい漫画ベスト10 – ライブドアブログ
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1499599.html
1位 SLAM DUNK
2位 ONE PIECE
3位 ドラえもん
4位 ドラゴンボール
5位 ブラック・ジャック
6位 タッチ
7位 北斗の拳
8位 キャプテン翼
9位 ジョジョの奇妙な冒険
9位 こちら葛飾区亀有公園前派出所
1位の「SLAM DUNK」はそれまでのバスケットボールマンガは当たらないというジンクスを打ち破った金字塔的作品。実際に読むとわかるが、次第にテンションアップさせながら展開がどんどん進んでいくので一気に読むと燃える。作者のストーリーテリングのうまさが際立つ感じ。あと画力がすごいので読んでいて「動き」を感じる。あと名言が多く、特に「私だけかね…?まだ勝てると思っているのは……あきらめる?あきらめたらそこで試合終了ですよ…?」は秀逸。
2位の「ONE PIECE」はなんというか絵が受け付けない人にとっては食わず嫌いなのではないか?という印象。つーかオレがそうだった。試しに読んでみると1巻終わる頃には絵柄に慣れた&この絵柄だからこそキツイ内容でもさらっと流せるのだなと感じた。見た目の割にシビアな内容を深く掘り下げず、その結果起きることのみに話を絞って進めていくのはかなりグッド。時々過去編がやたら長くなる傾向があるけど、過去のことを書かないと次に起きることとかこれまで起きたことについて「?」となるので確かに必要不可欠。最近では自分で設定したタブーをあえて破るというようなこともやっているので、そういう意味でもすごい。
3位の「ドラえもん」はほとんどの話に毒があり、なおかつシュール。教訓めいたことを言わずに教訓を思い知らせるという意味では最も秀逸。あと劇場版のための原作についてもマジですごい勢いと、あの絵柄では考えられない悲壮感、そして迫力がある。そういう意味では今のワンピースに通じるものがあるかもしれない。個人的にはドラえもんを全巻読んで漢字が読めるようになったようなものなので、確かにこれは読んでおいて損はない作品。
4位の「ドラゴンボール」は正直、娯楽作品としては一級品だが、それ以外の面ではどうだろう?という感じ。ただ、イラストレーターとしての絵のうまさは常軌を逸するレベル。無駄な動きが一切無く何をしているのかがわかる絵と構図の取り方は神がかってる。マンガはストーリーが第一で絵のうまさは第二だが、絵のすごさで革命を起こしたと言っても過言ではない。このドラゴンボールレベルの「漫画界に革命を起こした絵柄」というのはあと「AKIRA」ぐらいしかない。緻密な絵ではなく、かといって細密でもなく、大雑把でもないという適度な「必要最低限」の線だけで描いているという点が他を圧倒する画力につながっている。細かく描く=絵が上手というわけではないことを思い知らせた作品。
5位の「ブラック・ジャック」は今では読んでも「へー」ぐらいの感じかもしれないが、「命は金で買えるか?」「いくらなら命を助けることができるか?」「助かるためならいくらまで金を払えるか?」という問題とか、倫理観とか、とにかくありとあらゆるタブーに切り込んでいるという作品。なので今発行されている文庫版では削除されている話数も多い。が、その「問題有り」として削除された話が一番すごいというのもまた皮肉な話。そういうことを考えるとこれは完全版を読むことに意味がある。あと、こういうシビアな問題について触れるという今のマンガの一方の流れについて、それらを確立させた最初の作品。たぶん「カムイ伝」がシビアでリアリティある問題を取り上げる初代で、このブラックジャックがそれらを完成の領域に持ってきたように感じる。
9位の「ジョジョの奇妙な冒険」は第2部までとそれ以降がまったく違う。第1部と第2部は言うならばそれまでの「よくある少年マンガ」だが、第3部の完成度がまずすごい。コレもある意味、それまでのタブーを打ち崩しており、「こういう展開にはならないだろう」というのをやってしまうという点、それに加えて「魅力的だが残酷な敵」というのを前面に打ち出し、パッと見ると「絶対悪」のように見えるが実は決してそうではなく、これは単純に「信念」の違う者同士で、互いに相容れないがゆえの激突なのだということがよくわかる。冒険活劇と言うよりも「人生の問題を乗り越えることができるか否か?」みたいなものを描く傾向が強く、そうであるがゆえに台詞や行動がいちいち印象的。惜しむらくは画力がそこまで高いわけではないので、何をしているのかわからない絵になっていることが多いという点。これは特に後半に行けば行くほど顕著。第3部~第5部ぐらいが一番安定している。
なお、6位の「タッチ」と7位の「北斗の拳」、9位の「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は全巻を読んだことがない。それぞれ連載中とか途中までしか読んでいない。8位の「キャプテン翼」にいたっては1話も読んでいない。
とりあえず現時点で連載が完結していて「読ませたい漫画ベスト10」を選ぶならこんな感じか。単純に「絵がすごい!」と言うよりも中身重視で選ぶとこうなる。順位は付けられない。とりあえずその1からその10という感じ。
「寄生獣」
「ザ・ワールド・イズ・マイン」
「ぼくらの」
「Happy!」
「BANANA FISH」
「からくりサーカス」
「げんしけん」
「ホーリーランド」
「地雷震」
「賭博黙示録カイジ」
それぞれについてもまた個別に書くか…………