ポケットモンスター。
今も尚、ヒットし続けているゲームのシリーズである。
基本的には、育てたポケモンを戦わせるゲームだが、
昔、人と対戦をしようと思ったら、「通信ケーブル」を使わなければならなかった。
しかし、今は「Wi-fi」を使うことで、家の中にいても海外の人とまでポケモン対戦できるようになったのである。
そして、その頂点。
誰が一番ポケモンを上手く使って戦うことが出来るのかを決める大会、「ワールドチャンピオンシップス」。
これの2011年大会が、なんと中止になってしまったのだ。
理由は「東北地方太平洋沖地震」である。
公式ページの文章を引用させてもらうと、
このたびの「東北地方太平洋沖地震」により被災なされた皆様に心からお見舞いを申し上げるとともに、犠牲になられた方々とご遺族の皆様に対し、謹んでお悔やみを申し上げます。
地震による各方面への深刻な影響、および社会情勢に鑑み、「ポケモンワールドチャンピオンシップス2011日本代表決定大会」につきましては、 現在発表しております各エリアでの代表決定大会の開催をすべて中止することを決定いたしました。
ポケモンだいすきクラブにおける、大会参加の申し込み受け付けと参加証の発送も中止させていただきます。
大会を楽しみにしてくださっていた皆様には誠に申し訳ございませんが、なにとぞご理解いただきますようお願い申し上げます。
なお、今後のイベントにつきましては、社会情勢ならびに、ポケモンを愛してくださる皆様に楽しんでいただくためにはどうすべきかを検討のうえ、順次、当オフィシャルサイトにて発表させていただく予定でございますので、いましばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。
あらためて、一日も早い復旧復興を心からお祈り申し上げます。
となっている。
中止になるだろうな、とは思っていたが、それでガッカリするトレーナーも大勢いるだろう。
理由は、今回の大会の変則的なルールが原因だと思う。
ポケモンは進化する度に、戦いの「ルール」が追加されていった。
特に「WCS」では、かなり変則的なルールを用いていた。
WCSでは原則ダブルバトル(お互いにポケモンを2匹ずつ出して戦う)が採用されていた。
しかし、使用できるポケモンが大会ごとに異なっているのだ。
2009年では、幻、伝説級ポケモン(ミュウツー・セレビィなど)の使用を禁止されていたが、
準伝説(サンダー・スイクンなど)は使用できた。かなり一般的なルールである。
この大会ではサンダー・ラティオスなどの準伝説ポケモンや、
ボーマンダ・メタグロス・カビゴンなど、とても強力なポケモンを多く見られた。
2010年ではルールが一変。なんと「伝説級ポケモン」が2体まで使用することができた。
このルールのおかげで、天候を一瞬で晴れにする「グラードン」の晴れパーティ。
天候を一瞬で雨にする「カイオーガ」の雨パーティが大流行した。
それを防ぐべく、砂を起こす「バンギラス」や、霰を降らす「ユキノオー」も流行した。
誰もが伝説のポケモンを使えることで、前回よりも派手な戦いとなった。
そして、2011年。
ポケットモンスターブラック・ホワイト(以下、BW)が発売されて、すぐにWCSのことを考えた人も少なくはないと思う。
「今回も伝説が使えるのか?」と、BWに登場する「レシラム・ゼクロム・キュレム」の考察に当たる者。
「イッシュ地方(ポケモンBWの舞台)の、○○○○は、△△△△と組ませると強い!」と考えた者。
しかし、その予想を覆すルールが発表された。
通称、イッシュダブル。
2009年と同様、伝説のポケモンは再び使用禁止になった。
さらに、この大会では、ポケモンBWで登場したポケモン「のみ」しか使用できないという過酷な縛りが発生した。
そのため、過去にあったテンプレートパーティは全て崩壊。1から組みなおす必要があった。
「このポケモンは強い」というのは誰が見てもわかるところではあるが、
「こいつとこいつを組ませると強い」、「実はこいつは使える」というようなものは、大会予選辺りまではわからなかった。
それ故に、参加しようとしていたトレーナーは皆、戦術作りに没頭した。
そのタイミングでの中止の発表から来るショックは凄まじかったことだろう。
公式でイッシュダブルの大会をする可能性はかなり低く、
非公式に誰かが大会を行ったとしても、やはりマイナーの域を出ないのではないか、と思う。
しかも、地方限定ダブルという大会は次回作が発売されると、とてもやりにくくなるのではないかと予想している。
ポケモンBWは「新種のポケモンしか登場しない、完全新作」と銘打って発売されているからだ。
新種のポケモンしか登場しないから、BWの中で手に入るポケモンだけで大会やるよ!と言っても違和感はないのだが、
次回作がもし、発売するとなったときに、
「次回作で新しく出るポケモンだけで大会やります。次回作には今までのポケモンも出てくるけどね!」
と言われても説得力というか、なにかガッカリとした感じになってしまう。
しかし、次回作が出る前に
「もう1度イッシュダブルで大会やります!」
と言っても、
「ああ、アレはもうやめたし」
となってしまう人がいるのではないだろうか。
勝手な予想ではあるが、可能性は否定できないと考えている。
これでもポケモントレーナーの端くれ。
ダブルは専門外だが、これからチャレンジしてみようと思う。
そして、今後ポケモンはどう進化を遂げていくのか。
期待して待っていることにしよう。