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毎週月曜更新小説  ごてんっ!第十話「ツヅキモノ」

 私たちが健全に部活動をしていると、ふと闇に包まれた。無論、誇張表現である。夏だしまだ5時だし自然光でもそれなりの明るさがある。が、なんとも落ち着かないな。
「おいおいマジかよ。部屋中の蛍光灯一気に寿命かよ」
この人たちは。
「いや、前回いっきに取り換えたから同時に寿命は当たり前だろ」
良くわからないことを言ったのは橋本カオリだ。端的に言おう。コイツは生粋の馬鹿だ。
「でも、落ち着かないな」
貴様がな。イズミ=西城よ。
「イズミちゃん、この豆電球つけてみたらどうかな」
圧倒的無理難題。蛍光灯のプラグで豆電球をつけるのは、労力がかかる割に得られる光が少ないという、いわゆる愚行であり、それはまさしく愚行であった。愚行の提案者はレイさんだった。
「肩車だあああああ乗れえええええ」
橋本カオリが叫んだ。
「さんきゅー」


文字媒体のつらいところである。いかに私と言えどもこの状況を形容するのは難しい。写真をできれば見せたかったのだが、生憎カメラは持ち合わせてはいない。


 肩車は相手の肩に座ることである。チアガールなどではこれの応用として肩に立つなどの荒業を放つが、これとはまた違う。
カオリはなぜか逆立ちである。イズミは普通に立っている。二人の接地面は靴の裏だけである。二人が何故こんな愚行をするのか凡人にも、天才の私にもわからない。



 結論を言うと、豆電球はつかなかった。当然のことだとは思うのだが、何かさびしい。あのレイさんが初めて不可能なことに出会ったんだからな。

 ま、ついたらついたで騒がしくなるだけだが。
さて、私はブレーカーを上げに行こうか。
と、歩き出したらレイさんに止められた。
「単身乗り込むのは止せ。相手は電力供給委員会だぜ」
なんだその組織。
「茶番の間に戦力を整えておいた。そろそろ全員集合する」
茶番……か。
なにやら強引にバトル展開に持っていかれたな。
ま、たまにはいいじゃないですか。とレイさんは微笑んだ。
つづく。


あとがき
先週は申し訳ありませんでした。執筆途中いつの間にか寝てしまうという痛恨のミスでした。
さて、次回は路線変更といたしまして、ヒカル流バトル展開でございます。
お楽しみに。

作成者: 矢野ヒカル

45期でした。
卒業しても愛さえあれば報道部にいても大丈夫だよねっ!

2014/3/4:卒業

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