TwitterとかFacebookとかで話題だけど、正直どうなんだろうか?と思わないでもない。というか、支配欲が強すぎる。毒親の典型パターンにしか見えない。
13歳の息子へ、新しいiPhoneと使用契約書です。愛を込めて。母より
http://hana.bi/2013/01/13sai-iphonekeiyaku/
1.これは私の携帯です。私が払いました。あなたに貸しているものです。私ってやさしいでしょ?
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契約名義は親だけど、だからといってここまではっきり言うのはいかがなものか?せめて「月額料金を払っているのは私だからその分、家の用事は手伝うこと」ぐらいでいいのでは?
2.パスワードはかならず私に報告すること。
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確かに20歳になるまでは成人ではないので、20歳になったら認めてもらえる権利がなく、なおかつ何かあったら親が責任を取るのでわからないでもないけど、だからといってパスワードを報告するというのはちょっとアレすぎるのではないだろうか。むしろ逆で、「難しいパスワードを必ず設定すること、誰かに自分のパスワードを教えないこと、どこかで新しいアカウントを作ったときには以前と違うパスワードを設定すること、使い回し厳禁、覚えられないならパスワードを管理するソフトやサービスを使うこと」とした方がいい気がする。
3. これは「電話」です、鳴ったら必ず出ること。礼儀正しく「こんにちは」と言いなさい。発信者が「ママ」か「パパ」だったら必ず出ること。絶対に。
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むしろアドレス帳や住所録に登録していない番号からの発信は必ず無視すること、親しい人からの発信かどうかが必ず分かるように連絡先はこまめに管理しておくこと、と言うべきでは?
4. 学校がある日は7:30pmに携帯を私に返却します。週末は9:00pmに返却します。携帯は次の朝の7:30amまで電源オフになります。友達の親が直接出る固定電話に電話出来ないような相手ならその人には電話もSMSもしないこと。自分の直感を信じて、他の家族も尊重しなさい。
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これがまったく意味がわからない。むしろ自宅にいて無線LANの範疇内なら電話代がもったいないからパソコンからSkypeとかを使いなさい、一ヶ月の転送量制限を超えるような使い方はいけません、とか、携帯電話キャリア経由の課金は禁止とか、むしろ課金サービスは使わないこと、とかの方がいいのでは……。
5. iPhoneはあなたと一緒に学校には行けません。SMSをする子とは直接お話しなさい。人生のスキルです。注:半日登校、修学旅行や学校外活動は各自検討します。
6.万が一トイレや床に落としたり、無くしたり、破損させた場合はの修理費用は自己負担です。家の芝生を刈ったり、ベビーシッターをしたり、お年玉でカバーしてください。こういうことは起こります、準備していてください。
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購入した際の保証を超えたのであれば分かるけど、それ以前にそういうような事態にならないように諭すべきだろう。壊れるときは壊れる。
7.このテクノロジーを使って嘘をついたり、人を馬鹿にしたりしないこと。人を傷つけるような会話に参加しないこと。人のためになることを第一に考え、喧嘩に参加しないこと。
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逆に嘘をつかれたり、馬鹿にされたり、傷つける会話をされたりした場合はどうすれば……?一方的にサンドバッグ?
8.人に面と向かって言えないようなことをこの携帯を使ってSMSやメールでしないこと。
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面と向かって言えないことを伝えられるからこそ、メールとかがいいのではないだろうか……?
9.友達の親の前で言えないようなことをSMSやメールでしないこと。自己規制してください。
10. ポルノ禁止。私とシェアできるような情報をウェブで検索してください。質問などがあれば誰かに聞きなさい。なるべく私かお父さんに聞いてね。
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エロ禁止って、じゃあどうやってその子どもは生まれてきたのか……キリスト教圏の禁欲主義者ならそういう主義主張なんだろうが、それを子どもに押しつけるのはお門違いも甚だしい。むしろ「エロコンテンツにはファンタジーとリアルとがあるから、どれがファンタジーでどれがリアルかの区別を付けなさい」でいいのではないだろうか。脳内妄想を否定するのはやり過ぎ。
11. 公共の場では消すなり、サイレントモードにすること。特にレストラン、映画館や他の人間と話す時はそうしてください。あなたは失礼なことをしない子です、iPhoneがそれを変えてはいけません。
12.他の人にあなたの大事な所の写真を送ったり、貰ったりしては行けません。笑わないで。あなたの高知能でもそういうことがしたくなる時期がやってきます。とてもリスキーなことだし、あなたの青春時代・大学時代・社会人時代を壊してしまう可能性だってあるのよ。よくない考えです。インターネットはあなたより巨大で強いのよ。これほどの規模のものを消すのは難しいし、風評を消すのも尚更難しい。
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いわんとすることはわかるが、言うのであれば「特定できるような写真を送ってはいけません」がせいぜいだろう。
13.写真やビデオを膨大に撮らないこと。すべてを収録する必要はありません。人生経験を肌身で体験してください。すべてはあなたの記憶に収録されます。
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文字型記憶とビジュアル型記憶の2種類の記憶パターンに大別できて、ビジュアル型でない記憶パターンの人間は写真とかムービーがないとあとで思い出せないので非常に困る。
14.ときどき家に携帯を置いて出かけてください。そしてその選択に自信を持ってください。携帯は生きものじゃないし、あなたの一部でもありません。携帯なしで生活することを覚えてください。流行に流されない、FOMO(自分だけが取り残されるていると思ってしまう不安感)を気にしない器の男になってください。
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むしろ携帯以外のパソコン経由でのインターネットの使い方も覚えて下さい、なのでは?
15.新しい音楽、クラシック音楽、あるいは全員が聞いている音楽とは違う音楽をダウンロードしてください。あなたの世代は史上もっとも音楽にアクセスできる世代なのよ。この特別な時代を活用してください。あなたの視野を広げてください。
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違法ダウンロード推奨にしか見えないのだがそのことは置いておいて、ここまで言うなら音楽以外にも、映画でもアニメでもなんでもあるのでもっと拡大すべき。なぜ音楽に限定して視野狭窄に陥っているのか?
16.ときどきワードゲームやパズルや知能ゲームで遊んでください。
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中毒症状に陥らせることで麻薬みたいに課金したくなるゲームで遊ばないように、手を出す前に考えましょう、の間違いでは?今のゲームはパチンコと同じような、一度やるとそのままはまってお金をちゅーちゅー吸い取ることしか考えていないものが多すぎるという事を知るべき。
17.上を向いて歩いてください。あなたの周りの世界を良く見てください。窓から外を覗いてください。鳥の鳴き声を聞いてください。知らない人と会話をもってみてください。グーグル検索なしで考えてみてください
18.あなたは失敗する。そのときはこの携帯をあなたから奪います。その失敗について私と話し合います。また一からスタートします。あなたと私はいつも何かを学んでいる。私はあなたのチームメイトです。一緒に答えを出して行きましょう。
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なんという死の予言、やる気を失わせるのが目的なら見事に成功しているだろう。
この条件を合意してくれることを願っているよ。ここにリストしてあるほとんどの条件は人生をうまく生きるための条件にも当てはまるものだから。あなたは常に激変していく世の中で成長しています。とてもエキサイティングで気を引く体験だと思う。できるだけシンプルに物事を考えて行ってください。どんな機械やガジェットよりも自分のパワフルな考え方と大きな心を信じてください。あなたが大好きなのよ。あなたの素晴らしいiPhoneを楽しんでね。
で、当然以下のような反発が既に出ている。
iPhoneの使用契約書の記事を読んで感動する人は親になる資格などない。
http://anond.hatelabo.jp/20130106095622
母親の価値観を息子のすべての基準にするつもりなのか?
契約書の一行目
”これは私の携帯です。私が払いました。あなたに貸しているものです。私ってやさしいでしょ?”
”It is my phone. I bought it. I pay for it. I am loaning it to you. Aren’t I the greatest?”
私、私、私。
この一文を読んで背筋が寒くなった。これさ、携帯だけじゃないよね。
お前の服も
お前の食べている食事も
お前の部屋も
お前の読む本も
お前の命も
お前の人生も
”私”のものです。だから”私”の思い通りに育ち、考え、働き、結婚し、生きなさい。
そういう意識が透けて見える。醜悪だろこんなの。恐ろしいよ。
母の愛という名目で子供を私物化している。
息子の人生は自分のものだから息子の人生をコントロールする権利が自分にあると勘違いした結果が加藤智大じゃないか。
加藤智大の母は本を買うにも何を買うかのチェックを入れ、いちいち感想文を書かせた。全てに母の許可が必要だった。
この行為と今回の契約書、何が違う?
”これは私の本です。私が払いました。あなたに貸しているものです。私ってやさしいでしょ?”
全く同じ論理構造だ。
まぁ13歳にスマートフォンを与えるのだからこれぐらい厳しい方がいいだろうというところまで譲歩するとしても、その場合、この規則や規制は何歳になったら、いつになったら解除されるのかね?大体こういう類いのルールとか規制とか規約とか禁止事項とかの最大のポイントはまさにそこで、一度禁止したり規制した場合に、じゃあどうなったら解除されるのですか?という点が決められていないことがやばい。14歳になったらどれか解除されるのか?それ以前に誰がそれを決めるので?15歳、16歳、17歳、18歳、どれ?さらに言うなら、こういうルールを決めることの最悪な点は、このルールが一方的に決められた点だということだろう。一方的に決めてもいいのは、一方的に破られても実害が発生しない場合だ。たとえ形だけで実質は親が全部決めるのだとしても、一応の意思の確認は必要だろう。そういうのを完全にすっ飛ばしているように見えるのが最大の問題だ。
で、こういうようなルールをみんな何か決められているものなのかどうかが知りたい。
「スマートフォンを持つ際に親からこういう契約書を渡されたらどう思う?」への2件の返信
最初は親のPHSを借りていて、あまりにも使いすぎたので「自分のを持ちなさい」と買いに行った記憶。ルールは特に定めなかったものの「とりあえず電話できればよかろうなのだ」って感じでネット契約なしにしていたため上記で懸念するようなアレはなく、携帯メールを頻繁に使うようになったのは最初の端末を買ってから3年後だったかな。
未だにスマフォ持ってませんが、携帯を買う時は「ネットに繋ぎすぎて料金が高くなりすぎる」ことだけ気をつけてって言われたくらいですかね。パケホじゃないので。