まいどまいど、狼蘭です。
「日本三大奇書に挑戦!」が終わり、しかしまだ続いているのでタイトルを少し変えました。
これからは、日本の奇書、怪書を紹介するシリーズとします。
バックナンバーは、こちらをごらんください。
さて、前回の「姑獲鳥の夏」に続き、
今回は「匣の中の失楽」(竹本健治著)
○作者、竹本健治について
1954年生まれ。
「虚無への供物」著者の中井英夫氏の推薦を受け、「幻影城」で破格の長編デビュー。
「匣の中の失楽」でデビューした時、まだ大学生だったという、異色の天才。
代表作、「ウロボロスシリーズ」では、実際の作家綾辻行人、小野不由美、島田荘司、著者自身が登場する。
○匣の中の失楽について
1997年から1978年まで、「幻影城」で連載されていた竹本健治の処女作。
「ドグラ・マグラ」「虚無への供物」「黒死館殺人事件」に、「匣の中の失楽」を加えて
日本四大奇書という場合も多いが、これは賛否両論。
東西ミステリベスト100では、1986年、26位を獲得している。
○あらすじ
ファミリーと呼ばれる12人の探偵小説狂が、連続殺人事件に巻き込まれる。
と云うのはファミリーの一人が書いた実名小説の中の話で、
しかし、やはり現実でも連続殺人が起こる。
小説と現実と、どれがリアルか分からない、不思議な推理小説。
○感想
第一章で死んだはずの人間が、第二章で何の違和感もなく登場してきて
「何だこれは?」と思ったけれど、
実は小説の中だと分かった時には、「まぎらわしい」とちょっとため息。
けれども、実際どれが小説の中の話でどれがリアルかが分からなくなってくると、
うんうん唸って読む羽目になってしまう。
小説の中の小説、小説の中の現実、どれを信じればいいのか、本当に現実は存在するのか……。
誰の言葉も、信じられなくなるほどの、匣にとらわれた世界は
とても興奮し、精神が摩耗する。
どうですか?少しでも皆さんが本に興味を持ってくれればうれしいです。
次は「不連続殺人事件」(坂口安吾著)を読もうと思います。
こうご期待!
参照:http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10386664977.html
http://milleplateaux.yumenogotoshi.com/
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%A3%E3%81%AE%E4%B8%AD%E3%81%AE%E5%A4%B1%E6%A5%BD