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by ume-y

 

「五月末日、大阪は全停止する」

存在すら不透明な「大阪国」と、会計監査院の間に火花が散る……。

「大阪国」の不思議と、「王女」の真の姿とは?

 

今回紹介するのは、「プリンセストヨトミ」(万城目学著)です。

p2文藝春秋

 

p3文春文庫

 

 

○作者について

万城目学(1976年~)

2006年、『鴨川ホルモー』で第四回ボイルドエッグス新人賞を受賞、デビュー。

2008年、『鹿男あをによし』は第百三十七回直木賞候補

2009年、『プリンセストヨトミ』は第百四十一回直木賞候補

2010年、『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』は第百四十三回直木賞候補

 

「世にも奇妙な物語」のファンであり、自身、2010年の「20周年スペシャル・秋~人気作家競演編~」において脚本を手掛け、エキストラとして出演している。

 

○作品について

2009年、文藝春秋より出版

2011年、文春文庫より出版。

 

20011年、東宝より映画化。

監督:鈴木雅之

キャスト:綾瀬はるか 堤真一 岡田将生 他

東宝株式会社 プリンセストヨトミ

 

 

○あらすじ

会計監査院の、松本、旭、鳥居は調査のため、東京から大阪へ急行した。

調査の対象である、謎の組織「社団法人OJO」に出向くも、すっぽかしを喰らい途方に暮れる。

一方、市立空堀中学校の真田大輔は、幼馴染の茶子に支えられ、「女の子になる」という決意を胸に、セーラー服で登校する。

そして、松本と、大輔は、それぞれひょんなことから「大阪国」という存在を知らされる。

大阪国に流れ込む莫大な資産を問題視する松本と、「王女」を守るべく戦う大輔と大阪の人々。

五月末日、大阪は全停止する!

 

 

○感想

自身の居住地である、大阪が舞台なので、知っている地名などがちょこちょこでてきて面白い。

それ以前に、「大阪国」なんて存在が描かれているが、まさか本当にあるんではあるまいな、と思ってしまうほどの描写の素晴らしさ。

大阪が舞台の作品だが、あまりボケとかツッコミとかの要素はなく、代わりにスリルと言うものが入ってきている。

綿密に張り巡らされた伏線と、ラストの衝撃は半端ないほど驚ける。

「会計監査院」という役所と、「大阪国」という独立した国(?)との戦いは、現実的ではないけれども、どこかリアリティがある。

いつか、「大阪が全停止」する日が来るんじゃないかと期待を持たせるような、そんなスリリングな作品だった。

ハッピーエンドの結末が、また泣ける。

大阪城を見上げると、いつもこの作品を思い出すのである。

 

作者の万城目学さんは、「まんじょうめまなぶ」ではなく、「まきめまなぶ」なのでお間違いなく~。

 

 

 

投稿者: 狼蘭

2015/3/4:卒業 小説を書いてる活字中毒な人。 今一番好きな言葉―「皆、思い込みを信じて自分勝手に生きているだけなんです。なら思い直せば別の世界にいける。過去なんてものは、もうないんです。未来が無いのと同じように」(関口巽) 京極夏彦「陰摩羅鬼の瑕」より 余談:アニメ版関口先生が無駄にイケメンで辛い