0時00分、アイカは図書館の扉を開ける……。色露学園2年組『仮面舞踏会』福浦ミナトとの会話。
アイカ「やっぱり君がいたか、ミナト」
ミナト「こんばんはアイちゃん。こんな夜遅くにどうしたの?」
アイカ「特に深い理由はないんだがな。君はどうだい?」
ミナト「いつもと変わらず、本を読んでるわ。いつもこの時間は誰も来なくて気持ちが良いの」
アイカ「さすが本の虫だな」
ミナト「やめてよ、そのあだ名」
アイカ「ところで、何の本を読んでいるんだ」
ミナト「当ててみる? さすがのアイちゃんでもわからないと思うけど」
アイカ「挑戦状? 私はこの図書館の本を読破したことのある人間だぜ」
ミナト「ふふ。残念。これはここの本じゃないんだ」
アイカ「おっと、ここの図書館の本じゃないとするとかなりマイナーな本か」
ミナト「いや、ここの図書館にもあるよ」
アイカ「ここにあるけどここのは読まず。如何に」
ミナト「私はね、図書館が嫌いなの。正確に言えば図書館というシステムが気に入らないの。無料で本を読むことができる。それっておかしいと思わな
い? 読者は作者へ礼儀を払わないといけないと思うの。同じ理由で古本屋も嫌い」
アイカ「ふむ。そういう理由か。それも一理あるな。では君は読んだ本は全部購入しているのか?」
ミナト「勿論。本を買うために食費とかいろいろを削っているわ」
アイカ「だからそんなに細いのか。もっと食え。死ぬぞ」
ミナト「まだ大丈夫よ。標準体重の65%を切ってからが本番だもの」
アイカ「ぶっ倒れても知らんぞ」
ミナト「心配ありがとう」
ミナト「あれから結構経ったけど、何を読んでるかわかった?」
アイカ「降参だ。教えてくれ本の虫」
ミナト「だからそのあだ名はやめてってば。だって私、本とかほとんど読まないし」
アイカ「真っ白な……表紙?」
ミナト「表紙だけじゃないよ。中身も真っ白」
アイカ「何だと……じゃあ、これまでの……」
ミナト「そう。私はずっと本を読んでいるふりをしていたの。この、真っ白な本をね。だから私が本の虫というのは不正解。正直活字を読むのは疲れる」
アイカ「いったい何のために……」
ミナト「文学少女を気取りたいお年頃、と言ったところかな」
アイカ「何で私は気づかなかったんだ……」
ミナト「アイちゃんも知ってるよね。私の二つ名『仮面舞踏会』。私、仮面を被るのが得意なの」
アイカ「貴様あああああああああああああああああああああああああああああ」
ミナト「仮面の内側を知られたからにはもう生かしておけない。ここで散れ。雪白アイカ!」
アイカ「私を? やってみろ」
ミナト「勿論普段なら勝てるはずがない。でも今は違う。ここは図書館。毎日少しずつ改造し、今ではここは私専用の要塞と化した。喰らえ『読書家気取りの憂鬱紀行(ブックストリーム)』」
アイカ「本棚が高速で迫って……」
ミナト「本棚から落ちてくる本、ひとたび足を取られたら最後、もう日の目を見ることは無い。色露学園一年組『究極人間』雪白アイカ。ここに散る」
アイカ「お前は言った。作者へ礼儀を払えと。これはちと無礼すぎじゃないか」
ミナト「まだ生きていたのか。『読書家気取りの……」
アイカ「遅い!」ドゴォ
ミナト「グハア」
アイカ「散ったのは貴様だったようだな『仮面舞踏会』」
ミナト「これが格の違いですか。完敗です」
アイカ「何言ってんだ。あんたも強かったぜ。図書館で戦った中では間違いなく最強だ」
ミナト「はは……酔狂なこった」
アイカ「ははは」
ミナト「あははは」
アイカ「よし、じゃあいっちょいっときますか」
ミナト「はい!」
アイカ「立てば芍薬!」
ミナト「座れば牡丹!!」
アイカ「歩く姿は!!!」
ミナト「百合の花!!!!」
―完―
あとがき
ヒカルです。一年ぶりにごてんが復活しました。
地の文はあえて書きませんでした。
読みにくかったと思います。すいません。
もしかしたら続編があるかもです。
これからもよろしくお願いします。
