トルコ最大の都市イスタンブールは、ボスポラス海峡を挟んで欧州側とアジア側に分かれています。約200万人もの国民が日常的に大陸間を行き来するなか、これまで大陸を結んでいたのは2本のつり橋のみで、近年の急激な経済発展の影響による橋の慢性的な交通渋滞に悩まされていました。
そこで、2004年に大規模な鉄道建設計画「マルマライ計画」の一環として、トルコと日本が合弁でボスポラス海峡に全長およそ13kmの海底トンネルを造る工事が着工させました。
交通渋滞の緩和の為、トンネル内には地下鉄が作られます。この地下鉄は、これまで30分かかっていた大陸間の横断をわずか4分で可能にします。イスタンブールの旧市街の近くを通るので、私たちが観光に訪れたときにも利用できます。
トルコの前身オスマン帝国の君主、アブデュルメジト1世が150年前に構想し、設計図も描かれていたこの海峡トンネルは、日本の大成建設が工事を手掛けました。工事には日本の最新鋭の技術を用いたものの、海峡の潮の流れが激しいため、完成までには時間がかかり、全区間の竣工までには9年もの歳月がかかりました。
完成したトンネルの中は、とてもきれいに仕上がっています。やはり日本の技術は素晴らしいですね。
昨日行われた開通式にはトルコのエルドアン首相をはじめ、日本からは安倍首相が出席しました。トルコは世界有数の親日国として知られており、今回の安倍首相の出席も両国の友好をさらに深めるためになると思います。
地下鉄に乗車する安倍首相(右から3番目)とエルドアン首相
ヨーロッパとアジアを結ぶという、150年前のオスマン帝国時代から思い描かれていた「夢」が実現するとは、感動もひとしおでしょう。式典でエルドアン首相が「150年来の夢がかなった」と胸を張るのもうなずけます。
トンネルの開通を記念して、日本ではアニメCMが放映されています。素晴らしいものですので、みなさまもぜひ一度ご覧下さい。
CMをご覧になるには[ilink url=”http://www.youtube.com/watch?v=Rgn5MBjnJN4″%5Dこちら%5B/ilink%5D
ヨーロッパとアジアの文化が融合した街、イスタンブールを訪れる際は、ぜひともこの地下鉄に乗車してみたいですね。
参考記事は[ilink url=”http://www.afpbb.com/articles/-/3002342?ctm_campaign=txt_topics”%5Dこちら%5B/ilink%5D と[ilink url=”http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013103000157&g=int”%5Dこちら%5B/ilink%5D