近未来、図書館は本を守る要塞となる。
本を規制し、一般人の目に触れさせまいとするメディア良化委員と、戦うべし。
銃撃戦も辞さない二力間の睨みあい、一進一退の攻防線は見逃せない。
今回紹介するのは、「図書館戦争」(有川浩著)です。
○作者について
有川浩(1972~)
「【キケン】日本文学奇書に挑戦!【第二十三回】」を参照ください。
○作品について
2006年、アスキーメディアワークスより出版
2011年、角川文庫より出版。
その後のシリーズに、『図書館内乱』 『図書館危機』 『図書館革命』 『別冊図書館戦争』 『別冊図書館戦争Ⅱ』がある。
2008年より、漫画雑誌LaLa(白泉社)に「図書館戦争LOVE&WAR」として連載
同じく2008年4月~6月、フジテレビノイタミナにてアニメ化
2012年、アニメ化の続編として「図書館戦争 革命のつばさ」が劇場アニメーション化
2013年、東宝より、実写映画化
○あらすじ
近未来、公序良俗を乱す表現を規制する、「メディア良化法」が可決される。
メディア良化委員会は、その法の下、人々の娯楽である本を根こそぎ規制していった。
それに抵抗したのが、図書館。
独自の防衛隊、図書館隊を結成し、メディア良化委員会の魔の手から本を守ろうとする。
主人公、笠原郁は、『熱血バカ』の異名を持つ身体能力抜群の女子。
高校生の頃、とある書店で、身を呈して本を守る図書館隊員、郁曰く「王子様」に憧れ、図書館隊に入隊する。
図書館をめぐる攻防戦、メディア良化委員会との衝突、図書館隊の濃いメンバー、そして、郁の恋の行方とは……?
○あらすじ
初めて読んだのは、小学生のころ。ハリーポッターの1.5倍ほど厚い本に、最初は怖気づいた。
しかし、読み始めてみると、文体は軽く、とても読みやすい。
図書館隊には、軍隊のような「一士」「一正」など、固有名詞が多数出てくるのだが、その意味もすらすら頭に入ってくる。
読み終わったけれど、何度でも読みたくなるような読後感。
なので、今までで三回は読んでいると思う。
本を愛する身としては、こういう、本が規制される未来が来ると思うと、悲しくなる。
特に、最近「特定秘密保護法」というのが、議論されていて、表現が規制されるかもしれない。
このような攻防は、十分にあり得るんじゃないか、と思ってしまう。
また、この本は、恋愛要素も多くて、中々ドキドキする。
さすが、自衛隊小説&恋愛小説のプロ、有川浩先生だと、尊敬した。