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【葉桜の季節に君を想うということ】日本文学奇書に挑戦!【第四十三回】

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by Ryosuke SEKIDO

 

健康促進会、「蓬莱倶楽部」。

素人探偵が、巨大な組織を追い詰める。

悪徳商法? 保険金詐欺? 殺人?

絡まる糸をほどけるのは、彼しかいない!

 

今回紹介するのは、「葉桜の季節に君を想うということ」(歌野晶午著)です。

h2文藝春秋

 

h3文春文庫

 

○作者について

歌野晶午(1961~)

「【第七回】日本文学奇書に挑戦!【密室殺人ゲーム】」を参照してください

 

 

○作品について

2003年、文藝春秋より出版

2007年、文春文庫より出版

第57回日本推理作家協会賞受賞。

第4回本格ミステリ大賞受賞。

 

 

○あらすじ

成瀬将虎は、パソコン教室の先生、警備員など、自称「何でもやってやろう屋」。

そんなある日、後輩のキヨシから相談を持ちかけられる。

なんと、片思い中の愛子が、悪徳商法業者に捕まって困っているという。

以前、探偵事務所で働いていたこともあり、将虎はその悪徳業者、蓬莱倶楽部を調べることに決意。

その一方、地下鉄に飛び込んだ、麻宮さくらを助け、なんとはなしに交際をスタート。

徐々に明らかになってくる闇の部分、あくどい業者の、卑劣なやり口。

素人探偵将虎は、蓬莱倶楽部をぎゃふんと言わせられるか!

 

○感想

れっきとしたミステリーだ、これは。

メインの話は、蓬莱倶楽部について。

それと並行して、将虎の過去の話が進んでいく、と言う感じ。

どの話にも、緻密な伏線が罠のように張り巡らされていて、一歩気を抜けばすぐにとらえられてしまう。

この話を読む人には伝えたい。目先のことには騙されるな。

最後を読んだときに、頭を抱えたくなったりしないように。現に私は頭を抱えたくなった。

推理小説好きにとっては、自分の観察眼が問われる作品である。私はまだまだ半人前だということが分かった。

推理小説は、華麗なる探偵が事件を解決する話、だけではない。

こういうトリックもあるんですよ~と伝えたい。けれど、この手の作品はトリック自体がネタバレなのでお口チャックで。

読んでのお楽しみ、スリル満点、いいですよ!

作成者: 狼蘭

2015/3/4:卒業
小説を書いてる活字中毒な人。
今一番好きな言葉―「皆、思い込みを信じて自分勝手に生きているだけなんです。なら思い直せば別の世界にいける。過去なんてものは、もうないんです。未来が無いのと同じように」(関口巽)
京極夏彦「陰摩羅鬼の瑕」より
余談:アニメ版関口先生が無駄にイケメンで辛い

「【葉桜の季節に君を想うということ】日本文学奇書に挑戦!【第四十三回】」への2件の返信

個人的には本の表紙が素敵だとおもう!
あんまりミステリーとか読まないけど、狼蘭のレビュー読んでたら、読もうかなーという気にはよくなる。

ミステリーはいいよ、おすすめ!
簡単なところで行くと、やっぱりシャーロックホームズとか。
人死にが苦手なら、はやみねかおる先生の「名探偵夢水清四郎シリーズ」
奇妙奇天烈なバカミスなら、鳥飼否宇先生の「爆発的」
本格ミステリなら、綾辻行人先生の「館シリーズ」
民俗学系が好きなら、京極夏彦先生の「百鬼夜行シリーズ」
理科系の人なら、森博嗣先生の「S&Mシリーズ」
近代文学がすきなら、中井英夫先生の「虚無への供物」
スリル満点のドキドキストーリーなら、歌野晶午先生の「密室殺人ゲーム」
ヒューマンドラマがすきなら、宮部みゆき先生の「誰か」
福山雅治が好きなら、東野圭吾の「ガリレオシリーズ」

どんな話が好きか言ってくれればなんでも挙げますよ!!

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