魔鏡と言っても、退魔とか、照魔とか、そんな属性があるわけではありません。
魔鏡とは、
平行光線ないし点光源からの拡散光線を反射すると、反射面のわずかな歪みにより反射光の中に濃淡があらわれ、像が浮かび上がる鏡(特に銅鏡)である。
wikipedia より引用
という鏡のこと。
簡単にいえば、背面の模様の厚みのせいで、表面の平らな面にわずかな凸凹が出来、光を当てると背面の絵が浮かび上がる鏡のこと。
そして、1月29日、「卑弥呼の鏡」と呼ばれる「三角縁神獣鏡」が、その魔鏡であることが発見されました。

京都国立博物館の、村上隆学芸部長らは、話題の3Dプリンターで精巧な複製品を作成。
光を当てて確認したところ、背面の模様が浮かび上がる「魔鏡」であることが判明しました。

中国の古代鏡でも同様の現象が確認され、日本でも、江戸時代に隠れキリシタンが、マリア様や十字架の浮かび上がる「魔鏡」を作りました。
しかし、国内出土の鏡で、この現象が確認されたのは初めてです。
この発見によって、古代、どのように鏡が使われていたかを探る手がかりになりそうです。
卑弥呼は、占もするし呪術めいたことをして邪馬台国民の心をつかんでいたと言われていますから、この「魔鏡」を最大限駆使したのかもしれません。
この鏡を振りかざすことで、権力を維持したのでしょうか。
余談ですが、私がこの「魔鏡」と言う存在を知ったのはつい最近で、ある本を読んだからなのです。
その本とは、「百器徒然袋-風」
薔薇十字探偵社の社長で、「この世で唯一の探偵」榎木津礼次郎とその一味(もとい下僕?)がおくるハチャメチャストーリー。
大物を手玉にとって、高らかに笑う探偵と、振り回される「薔薇十字団」の面々(もとい下僕)。
「勧善懲悪」ならぬ「勧『榎木津』懲悪」の連作短編集。
京極夏彦著です。
この中に、「雲外鏡」という話があるのですが、そこに「魔鏡」と言うものが出てくるんです。
「雲外鏡」とは、鳥山石燕が記した「百器徒然袋」に乗っている妖怪のこと。
中々面白いストーリーなので、是非読んでみてください。
京極先生のあの近寄りがたい感じは、全くないですから。
ソース元:朝日新聞デジタル
「「卑弥呼の鏡」は「魔鏡」だった!」への1件の返信
全くスケールが違うけども、小学校の時下敷きで太陽の光を反射させて教室で遊んでたのを思い出した。