御無沙汰してます、狼蘭です。
というわけで、「日本三大奇書に挑戦!」シリーズもようやく最終回を迎えました。
日本三大奇書ってなにか?という方は、前々回の記事をご参照ください。
前回は、「虚無への供物(塔晶夫著)」を御紹介しました。
さてさて、最終回は「黒死館殺人事件(小栗虫太郎著)」を紹介させていただきます。
著者、小栗虫太郎。1901(明治34)年生まれ、1946(昭和21)年死去。
代表作は、「完全犯罪」(1933年)
また、シリーズものとして、「法水麟太郎シリーズ(全10巻)」があり、この黒死館殺人事件は、このシリーズの第三段。
黒死館殺人事件は、1934年から、雑誌「新青年」に連載、1935年に新潮社から単行本として出版される。
・おもな内容
刑事弁護士、法水麟太郎は、検事支倉が持ち込んだ「黒死館」に関する事件に興味を持つ。
黒死館にすむ、ダンネベルグ夫人が何者かによって殺害された、という事件で、調査のため黒死館を訪れると、そこに刑事熊城が現れる。
不可解な現象、なぞの文句、そして連続殺害事件。
過去に黒死館で起こった変死事件とは、何か関係があるのか?五つの殺人が暗示された文句の意味とは……?
・感想その他
まず、文語調なのが読むのに辛い。スイッチが、スヰツチと表記されていて、最初は何のことを言ってるのかさっぱり分からずじまい。
また、これは本当に推理に必要なのか?と思われるような豆知識もとい講釈がながながと続くので、途中で飽きてしまうかもしれない。
聖書の言葉や、フランスの詩を引用したり、意味がわからない言動を繰り返したりと、まさに奇書と呼ぶのにふさわしいほど。
登場人物も多く、誰がどうしてそれでどうした……と追っていくのにも一苦労。
最後の謎解きも、なんだかしっくりこないような、それ以前にトリックも不可解で、読後感はもやもやしてしまう。
それでも、ミステリとしての面白さはあり、犯人と思われた人が死んでしまったりと、スリルが味わえる作品となっている。
とまあ、今まで三回にわたって日本三大奇書を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
これを全て読むのにはかなり根気と知識がいりますが、読むとなかなか面白いものです。
自分の考えも、変わってきますし。
興味のある方、最寄りの図書館、または本屋、古書店などに足を運んでみてください。
もしかしたら番外編やるかも……?
参考:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E6%AD%BB%E9%A4%A8%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6